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やわらかで華のある酒の魅力を世界に 日本の風土や文化とともに伝える『市島酒造』

新潟・新発田市から日本酒を世界に広め、国際的な酒コンクールで名誉ある賞も受賞している。

グルメ 地域

日本最古の神社のひとつに数えられ、五穀豊穣を祈る神様として知られる諏訪神社。その参道沿いに位置するのが市島酒造である。

蔵の奥座敷には、手入れの行き届いた美しい庭園が見渡せる御茶処があり、往時の風情とよき日本文化を伝えている。

 

■日本酒文化の発信拠点を担う

王紋

初代蔵元の市島秀松氏がこの地に市島酒造を創業して200余年。良質な米と豊富で軟らかな水を用い、越後杜氏の卓越した技で醸す酒は、地元新発田市をはじめ新潟県内で広く愛飲されている。

蔵の一角には、往時の酒造りや庶民の酒文化を想起させる酒造道具や酒器などの貴重な資料、そして市島家ゆかりの品々が展示された資料館が併設されており、自由に見学することが可能(当日受付)。

見学後は蔵元自慢の酒を試飲したり購入したりできるとあって、蔵を訪れる観光客が後を絶たない。

七代目蔵元で代表取締役社長の市島健二さんは、「常に最高の酒を醸し、飲み手の皆様には市島の酒とともに付随する酒文化にも触れていただきたい」と、酒造りを通して発信する日本酒文化に熱い想いを寄せる。

蔵の歴史や地域の風土に触れて口にする一杯は、さぞ格別だろう。

 

■「市島」から世界の「ICHISHIMA」へ

王紋

「私の代での使命は、日本酒でインターナショナルな位置づけを確立すること」。そう語ると、市島社長は表情を引き締めた。

「海外には日本酒を飲んでいない人はまだまだいるし、知らない人もいる。時間も費用もかかることだが、誰かが前を歩まなければならないのです」

 

英語でのコミュニケーションに長ける市島社長は、これまでにもさまざまな立場から日本酒の海外需要拡大に携わってきた。

そんな中で行き着いた結論のひとつが、海外で単に商品を売るだけでなく、日本の文化や風土に直接触れてもらう機会を演出することだという。

 

■屋敷の離れを御茶処に

王紋

蔵の奥にある離れの屋敷を御茶処として開放しているのも、まさにそんな想いから。

だからこそ、地元での酒造りや販売には、一層力が入ると市島社長は話す。美しい日本の風景や、自然の中で育まれた米や水の恵みがボトルにぎゅっと詰まった日本酒の素晴らしさを、市島酒造は世界に届け続けている。

 

■口にした瞬間、歓声が上がるような味わいを

王紋

新潟県で育まれた米と加治川の超軟水を使い、越後杜氏の技でじっくりと発酵を施す。“オール新潟”で醸された市島酒造の酒は、華があってほんのり甘口。口当たりは清楚で軟らかく、味わいに気品が感じられる。

目指すは、「口に含んだ瞬間に『わあ、おいしい』と思わず口にしたくなる味わい」(市島社長)。一つひとつの製造量こそ少なくとも、それぞれに手間暇をかけて造り込むことをモットーとする。

蔵人の多くが一級酒造技能士や新潟清酒学校の卒業生で、それぞれが誇りを持って酒造りに携わっている。そんな彼らの繊細な手仕事の結晶もまた、無二の芳醇な味わいを醸し出しているのだ。

 

■感性に合う1本を思うままに楽しんで

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市島社長:お酒は古くから人と人との距離を縮め、人間関係をより円滑にしてくれるコミュニケーションツールとして重宝されてきました。

 

そんな潤滑油としての役割を有する日本酒だからこそ、飲むときはスペックではなく、自分の味覚を信じて楽しんでいただきたいものです。感性のおもむくままに、お気に入りのお酒をぜひ見つけてください。

 

蔵元が自信を持って勧める日本酒をいくつか紹介しよう。

 

①『秀松 藍』

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初代蔵元の名を冠した『秀松』シリーズは「山吹」と「藍」と「朱」の3種類。本醸造規格の「朱」は、2011年のインターナショナル・ワイン・チャレンジ「SAKE部門」でトロフィーを獲得した。

写真の「藍」は、新潟県で開発された酒造好適米・越淡麗を使って香り高く仕上げたプレミアムな逸品。蔵のある新発田市限定で発売されている。

 

②『夢 純米大吟醸』

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市島酒造の純米酒ブランド「夢」シリーズの最高峰。越淡麗を使用し、厳冬期に低温下でじっくりと発酵を施すことで、やわらかな口当たりとまろやかな旨み、そして深い余韻を演出している。

 

③『市島 吟の慶 大吟醸』

王紋

全国新酒鑑評会に出品された、市島酒造のフラッグシップ大吟醸。華やかな香りをまとい、まろやかで優雅な味わいに仕上がっている。

越淡麗を35%まで磨き、約1年かけて低温で貯蔵した贅沢な一本。写真のラベルは海外市場向けにデザインされたもの。 

・合わせて読みたい→品質に徹底してこだわり、実直に醸す 村上の風土と食文化に寄り添う『〆張鶴』

(取材・文/市田 真紀

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