「100時間残業」すればお金はどれだけ貯まる?経験者に聞いた


(©ぱくたそ)

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17日、「働き方改革実現会議」が首相官邸で行われ、繁忙期に例外的に認める残業時間の上限規制を「月100時間未満」とすることが正式に決まった。

100時間働くのではなく、通常通り働いた上でさらに100時間働く……経験したことのない人からすれば想像できない世界だろうが、実際やってみると自分の生活にはどんな変化が起きるのだろうか? とくに、いっぱい働いた分、お金が貯まるのかが気になるところ。

しらべぇ取材班は、100時間残業の経験者たちに当時の状況と、残業デイズでお金が貯まったかどうかを聞いた。

 

①40代男性(SE)⇒「貯まった」

「新卒で入ったときのSEの会社の話ですが、お金を使う暇がないので自然と貯まりましたね。そのときは全部残業代が出てましたが、100時間(年1000時間かな)になるように上司が仕事を割り振って調整してました。

 

10時出勤で終電帰宅なので、土日に出勤がなければ、100はそうそう超えないようになってました。土日も出る時は、平日休みを取るとかで調整してましたね」

 

②30代男性(IT関係)⇒「貯まらなかった」

「自分が以前いたところはWebの制作会社だったのですが、ユルユルの裁量労働制なので残業代が出ず、給与にはまったく反映されませんでした。他の社員よりもずっと仕事しているのに同じだから、時間給にしたら3割くらい低かったんじゃないかな?

 

この業界にいると、みなし残業ナシ、残業代支払いあり、定時退社、有給全消化推奨の会社なんて、都市伝説だと思うようになりました」

 

③20代男性(地方新聞記者)⇒「貯まらなかった」

「お金は全然貯まりませんでした。規定上はみなし残業だったけど、実際はあってないようなものでしたね。月120時間は時間外労働してたのですが、待機時間が長いだけで忙しいわけでもないし、基本給も地域内では良かったので、とくに不満は持っていませんでしたが。

 

悪い会社ではなくて、年に3回、5日ぐらいの連休が取れる(その分、月10日休み)ので、そこでお金を使ってました」

 

④20代女性(ソーシャルゲーム会社)⇒「貯まらなかった」

「45時間のみなし残業の会社だったので、残業代がつくのはそれ以降でした。でも、あんまり数字が積み重なると上司に指導されるので、低く改ざん。結果、残業代はそんなに多くなりませんでした。

 

でも、そのお金もすぐに消えていきます。激務はストレスもヤバいので、散財しちゃうんですよ。自分はネット通販で服を大量に購入していました。不在も多かったし、運送会社のドライバーさんには迷惑かけてただろうな……。

 

あとは、タフでない限りかなり高い確率で不健康になるので、病院代がかさみます。自分は月に2回は病院に行ってました」

 

⑤30代男性(広告関係)⇒「貯まらなかった」

「実際の労働時間と、勤怠に入力する時間が全然違っていました。早朝に来ても打つのは10時。19時に退勤の打刻をして、そっから数時間残業する。もちろん土日も家に持ち帰ってお仕事。結果、100時間残業してるのに勤怠上では半分くらいってなってました。

 

たとえ残業代が出ても、お金は全然貯まりませんでしたね。自分の場合、職場から家にそのまま帰るのが嫌で、必ずどこか寄って晩御飯食べて帰ってたんですよ。そうしないと、オンオフの切り替えができないような気がしたんです。

 

あと、時間が欲しいあまり無駄なタクシー移動とか、頭が働かずよくわかんないもの買っちゃうとか(笑) 激務するより、普通に働いて節約するほうがお金は絶対貯まると思いますね」

 

⑥30代女性(芸能関係)⇒「貯まらなかった」

「芸能事務所のマネージャーをしていた時に毎月のように100時間残業、酷いときは200時間とかしていました。その会社では『100時間越えまたは3カ月連続80時間越え』したら健康診断必須というルールがあって、私は毎月行ってましたね。

 

もちろん残業代なんて出なくて、休日出勤手当も3000円。それで『やったあ、今月は3万円も給料多い!(=10日間休日出勤していた)』とか言ってたという……今では自分でも信じられませんが、当時はそれが普通だった。というか、今でも芸能関係の人はみんなそう思ってるんじゃないかな?」

 

取材班が話を聞いたのはあくまで少数のケースだが、かりに残業代が出ていたとしても、ストレスによる散財などもあってお金はなかなか貯まらないのが現実のようだ。

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(文/しらべぇ編集部・クレソン佐藤